優秀賞
引かれた手 引いて母の手 彼岸花 (チュン子すずめ/吹田市)
【選 評】
火炎のように鮮やかな曼殊沙華を「彼岸花」と言うのは、秋の彼岸の頃に野山を見事に彩って咲くからです。
お墓参りに歩行の心もとない老母の手を引いて歩む姿は、とても微笑ましい。
手に手をつなぐ親子の愛情は羨ましいほどに素晴らしい。
花冷えに
ふたりにひとつの カーディガン (カジ/豊島区)
【選 評】
ぴったりと寄り添った若い二人の何とも羨ましい愛の姿ではありませんか。
「ふたりにひとつ」と言う表現に細やかな心遣いが通っているのです。
母と来て 訛りに戻る
花菜径 (落穂/戸塚区)
【選 評】
町に出て来て、普段は使わないふるさと言葉が、久しぶりに母と共に花菜の咲き誇る道を行くと蘇って来たのです。
「訛りに戻る」の言い回しがとても巧みで、共感を呼びます。