[花鉄の部屋]第6回は、栃木県芳賀郡益子町の小貝川鉄橋付近を走る真岡鐵道真岡線の秋景色です。

タイトル=小菊の群れと赤い柿の実
撮影者=鈴木正年
撮影地=栃木県芳賀郡益子町

現在も、日本国内の幾つかの路線でSL(蒸気機関車)が運行(=動態保存)されています。黒光りする美しいボディが力強く進む姿に郷愁を感じるのは、やはり昭和世代以前の方でしょうか。 子供たちの好奇心を刺激し、多くの鉄道マニアを誘客する観光資源としての役割が主ですが、貴重な産業遺産として、修理・維持しながら現役で走らせ続けることにも充分な価値があると思います。
真岡鐵道は1912年(明治45年)真岡軽便線として発足、後に真岡線に改称され廃線の危機を乗り越えながらも路線存続、国鉄分割民営化以降はJR東日本に継承されました。
1988年(昭和63年)からは栃木県や沿線自治体・地元企業などの出資による第三セクター真岡鐵道(株)として再出発を図り、現在、下館駅(茨城県筑西市)から茂木駅(栃木県芳賀郡茂木町)の17駅間(41.9km)を走っています。

「赤く実った柿の実と土手に咲き乱れる菊の花をSLとのコラボで配してみました」と撮影者の鈴木さんが語って下さったように、これぞ『花鉄―秋景篇』と呼びたい今回の画像。小貝川に架かる鉄橋を渡ると陶器の町「益子」駅があります。
真岡鐵道では、年間を通して土・日・祝日にSLを運行しているほか、夏休みイベントやSLツアー、カレンダーやグッズの販売など、SLを活用した様々な取り組みを行っています。
運行スケジュールなどの詳しい情報は真岡鐵道のWEB SITE(http://www.city.moka.tochigi.jp/mokasl/)でご確認 下さい。
今回のSL「C1266」は、福島県川俣町に静態保存されていた車両を1991年(平成3年)に譲り受けたそうです。鈴木さんのWEB SITE[鉄路を求めて(http://www7a.biglobe.ne.jp/ ~c11325/)には素敵な画像が満載です。
 

[花鉄(はなてつ)]とは細分化されている鉄道ファンは、乗ることが好きな「乗り鉄」「旅鉄」、撮影専門の「撮り鉄」、その発車ベルや走行音のファンを「録り鉄」、駅弁を食べ歩く「食べ鉄」、女性の鉄道ファンを「鉄子」などと呼ぶことがあるそうです。そこで、私たちは各地で出会える「花」と「鉄道」が共生する素敵な風景を、勝手に「花鉄」と名付けて愛し続けることにしました。