── 馬の背に味噌樽を二丁積み、運んできた馬方(馬で人や荷の運搬を請け負う職業)が、ある商家の店先に馬を繋ぎます。近くで子供たちが遊んでいたので「馬に悪さなんぞするなよ。蹴っ飛ばされっぞ。」と釘を刺して店の中へ。
しかし何度声をかけても家人が出て来ません。馬方は道中の疲れもありついウトウト居眠りをしてしまいます。その間に(案の定)子供たちは馬にあれこれ悪戯を仕掛けます。漸く奥から出て来た店の者に起こされますが、味噌は注文していない、荷は宛名違いであると言われ追い返されてしまいます。
ブツブツ言いながら店から出て来ると繋いであったはずの馬がいません。子供たちの悪戯に堪りかねて逃
げてしまったのです。馬方は子供たちに「ここに繋いであった馬を知らないか」と訊ねますが悪戯盛りの悪童たちは、のらりくらりとごまかすばかり。困った馬方は、味噌樽を積んだまま逃げた馬を探し始めます。 |
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美人画に長け京阪浮世絵界の第一人者と呼ばれた西川祐信が享保8年(1723)に出した風俗絵本「百人女郎品定」の中に描かれた田楽茶屋の女(部分)。
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