公益財団法人花と緑の農芸財団
Reader'S page たねまき めぐり会えた鯉のぼり 「場」を創るということ 花と緑と農芸の里を描く 方言は言葉の花 心の中の大切な花 子どもの心を育てる 大手町の花と緑 心を耕し、心に種を播く。 ちいさなかごに 花に恋して

思いがけぬ降雪に見舞われながらも、花鉢や食材が春めいていくのは嬉しい限りです。

主人の成田勤務時に会員の集いに参加させて頂き、故土井さんや若い研修生の方々の熱意に触れ、関西に戻った今でも教えて頂いた事を少しでも生かせる毎日にしたいと考えています。対岸に淡路島の臨むここ明石から、小さな日常を”花の心”を通じてお届けできる機会を得てとても嬉しく思います。

残念ながら海に面した高層階では土に親しむことは難しく、多肉植物やサボテンの小さな花に一喜一憂していますが、明石城公園への散歩道には潮風と格闘しつつ、四季の花を熱心に育てている方も多勢います。公園内では寄せ植え展や菊花展が催され、お花見の頃は池の周りが桜色に埋め尽くされて本当に美しい景色です。花の移ろいと共に、海を渡る鳥達の変化で季節を感じることもできるのです。機会があれば西の方にもどうぞお出掛け下さい。

昨年旅行でお世話になった方のお宅で大切にされている花を見せていただきました。台南からアメリカに移住されて40年余り、浴室で丁寧に世話をされていたのは蘭の鉢で、「何処に居ても何年経っても、故郷で育てていた花は忘れられません。」という言葉と優しい手が強く印象に残りました。

人はそれぞれ心に大切な花を持っているのだなとつくづく思いました。私の父も19年前の震災後、無事だった室内温室の花に救われたと言っています。
 一粒の種の大きさ、小さな花の大きな力を信じて、光・風・花の香りに満ちた芝山へお尋ねできる日迄、私も日々を大切に元気で過ごしていきたいと思っています。


明石城跡のお堀に設置されたコスモスの花筏とコブハクチョウ
秋に開催される菊花展に毎年登場する明石ダコを模した菊人形
明石公園内のマンホールではいつも桜が満開です。
明石城跡の巽櫓(たつみやぐら)を望む桜の季節