公益財団法人花と緑の農芸財団
Reader'S page たねまき めぐり会えた鯉のぼり 「場」を創るということ 花と緑と農芸の里を描く 方言は言葉の花 心の中の大切な花 子どもの心を育てる 大手町の花と緑 心を耕し、心に種を播く。 ちいさなかごに 花に恋して

「田舎暮らしがしたい」――いつの頃からか強くそう思うようになっていました。東京の下町に育ち、コマコマした家が立ち並ぶ狭い路地や、小さな公園で遊ぶ中、自然への憧憬がいつもあったように思います。

勤めをやめてしばらく休養していた時に、稼ぎ続けなければ生きてゆけない、ままならぬ社会に疑問を持ち始めたのです。自分の暮らしの中から、生きてゆくのに必要なものを産み出せてゆけたら、もっと自然にのびのびと生活していゆけると思い立ち、始めたのが食を自給することでした。

そんな中、出逢った素敵な生き方を選択している人々や、そしてマクロビオティック(食養)・玄米菜食。たくさんの無駄を省き、自分の足もとの大地から、そして暮らしの中から産み出してゆける食生活は、私のフィーリングにとても合い、生きてゆく方向を指し示してもくれました。

毎日、嬉々として畑や田仕事に明け暮れる日々――その中で自然からのエネルギーを頂き、精神性をも養う「食」の大切さや、私たちの身体や心・精神や霊魂のこと。命の繋がり、大宇宙の命のしくみ…たくさんの気づきや学びを得ることができました。

そうして今、目の前にあるお茶わん一杯のごはんを頂ける有り難さに、胸の前で自然に手が合わさるのです。我(無)武者羅に生きてきた十数年を振り返ってみると、なるべく自然を壊さず、無駄に命を食さず、生かしてくれる命たちに感謝と祈りを捧げることしか私にはできません。けれど、毎日泥んこ、汗だくになって大地を耕し、畑に種を播いて来たことは、私の心を耕し、心に種を播き続けて来たのと同じだったと思えるのです。

ようやく、私の心に花が咲こうとしている。そんな感じがするのです。

季節ごとに届けられる『花の心』の冒頭には、こう書かれています――

美しい花をはじめてみたのは誰ですか
遠い遠い昔、花は生まれた
太陽と大地の贈り物、花
花もまた、
地球の歴史とともに歩いている
花は咲き、実をつけ、やがて種子を残す
花は自然、花は命、そして花は愛
花の心、それは世界共通のねがい
私達はそこに無限の可能性を見いだす
今、はじめよう、地球のために!
一粒の種子から、あなたのまわりから、
花の心を育てよう
心に花を!
Flower in mind
Flower in mind

私たち人類の歴史は、必ずしも幸せなものばかりではありませんでした。
でも今、これから皆が、一人一人が心に愛を育ててゆければ世界は平和になるのです。
 ”花の心、それは世界共通の願い、
 それは神(仏)の願い”
心に愛の花咲く種を播こう!
〜地球が愛と平和の星となりますように祈りを込めて〜